1. トップ
  2. >
  3. 公演情報・チケット
  4. >
  5. CiaOpera!
  6. >
  7. Vol.13-牧野真由美 2

CiaOpera!

エキセントリックな日本オペラを、縁深い共演者と共に。

−一方、今年の10月には日本オペラ協会の公演『ミスター・シンデレラ』へも出演されますね。『ノルマ』がイタリアの作品であるのに対して『ミスター・シンデレラ』は日本の作品ですが、歌われるときには気持ちの切り替えをされていますか?

切り替えますね。外国語のオペラを歌う場合は、お客様が日本人でいらっしゃることもあり、必ずといっていいほど字幕が出ます。今どういう場面で、人物がどういう心情であるかということが字幕を通して伝わるようになっていますが、『ミスター・シンデレラ』は日本語のオペラで字幕もないので、私たちの歌う言葉をお客様にそのまま聴き取っていただかなければなりません。ですから、日本語の発音や発声も含めた表現方法は相当気を使い、研究していかなければならない部分だと思っております。もちろん西洋オペラのときも気を使ってはいますけれど、日本語のオペラでは、日本語がどういう風にお客様に伝わるかということがいちばん大事ですのでね。

牧野 真由美

−なるほど、言葉への意識を切り替えるのですね。また、ストーリーも『ノルマ』が悲劇であるのに対して『ミスター・シンデレラ』は喜劇という違いもあります。悲劇と喜劇で、取り組むときに何か違いはありますか?

まずは、楽譜に書いてある、歌と芝居に求められている情報をしっかりと汲んで勉強するという点では同じですね。そこから稽古場でどういう化学反応が起きるかということなると、やはり喜劇のほうが予測できない部分があると思います。シリアスなオペラのほうは、ある程度脚本に忠実に気持ちをつくっていけば成り立つようになっているのですが、コメディーは本当に、場の空気や間の取り方、芝居の掛け合いによる役同士の触発というのが大きいので、稽古場で何が起きるか楽しみな部分もありますね。一方で、ただただ笑いを取るというのではなく、きちんと日本語を歌うこともそうですし、音程も取れているというのが大前提ですので、そういった点では喜劇のほうが難しさがあるかもしれません。

−そうなのですね。牧野さんの演じる「伊集院ハナ」役はどんな役なのでしょうか?

伊集院ハナは、主役の伊集院正男の母親なんですが、まぁこんなにもかというほど、正男の妻の伊集院薫を憎んでいるんですね。いわゆる嫁姑です。居合術という剣術家の妻で、「伝統を継ぐ」というような意識が強く、プライドの高い、保守的な価値観の人物です。私とは違うタイプですね(笑)。息子が女性に変身してしまい、女性の格好で歩いているのを見て、ショックのあまり「狂乱の場(19世紀の西洋オペラで流行した、女性が嘆きのあまり狂乱しながら超絶技巧で歌うシーン)」のようになるんです(笑)。今の世の中、相当保守的な価値観じゃないとそのぐらいのことでは狂乱しないのではないかと思いますので(笑)、説得力のある役づくりをしなければな、と思っております。

−役づくりが大変そうですね(笑)。共演者のみなさんや、演出の松本重孝氏、指揮の坂本和彦氏とはこれまでもご一緒されていますか?

この作品は、今まで藤原歌劇団でもオペラをご一緒してきた方や同世代の方が多いんです。同じ組の東城弥恵さんは大学の同級生なんですよ。それからダブルキャストで同じ伊集院ハナ役のきのしたひろこさんは、私が高校生のときにソルフェージュと楽典を習っていた先生(笑)。これ、偶然なんです!

−それは面白いご縁ですね!

本当に、ご縁ですよね!演出の松本重孝さんは、私のデビュー作の『カルメル会修道女の対話』や『セビリャの理髪師』『オリィ伯爵』でご一緒しました。色々とアイディアをお持ちで、稽古場でも「これ、やってみない?」とよくおっしゃるので、今回も楽しみですね。坂本先生は、私、実は20代の頃にミュージカルの舞台でご一緒しているんです!

−ミュージカルですか!『ミスター・シンデレラ』もミュージカルに近い作品ですよね。

そうなんですよ!限りなくミュージカルに近いオペラですね!しかも、昭和レトロ的な、懐かしい日本のミュージカルという雰囲気です。オーケストラもシンフォニック・ジャズのようだったり、タンゴ風の音楽が出てきたり、鹿児島が舞台なので、「おはら祭」で歌われる「おはら節」のモチーフが登場したり。私は「ねんねぐゎせ」という、奄美諸島の徳之島の子守唄を歌う場面があります。それから、モーツァルトのパロディーも出てきます。とにかく色々な音楽がパッチワークのように散りばめられているので、その点でも楽しんでいただけるのではないでしょうか。

牧野 真由美

−とてもエキセントリックで楽しそうな作品ですね! こちらも、今から待ち遠しいです!

ノルマ ミスター・シンデレラ
ページ上部