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  7. Vol.15-西村 悟 3

CiaOpera!

オペラへの情熱を胸に、目指すは表現力豊かな「気になるアーティスト」。

−悲劇と喜劇では、どちらがお好きですか?

断然、悲劇ですね!喜劇をあんまりやったことがないということもありますが…『セビリャの理髪師』のアルマヴィーヴァ伯爵はありますけど、あの人物自体はそんなに喜劇的な人物ではないですからね。『愛の妙薬』は、やってみたいなと思いますけど。あんまり僕のイメージにない、とよく言われるんです。でもネモリーノって、かっこいい役なんですよ!

−確かに、西村さんのネモリーノは意外かもしれません(笑)。『愛の妙薬』も含め、今後どんな風に歌っていきたいですか?

リサイタルのプログラムにも込めたように、“大人な役”を歌っていきたいですね。あとは、説得力があって、聴いていて「あぁ、そうだよね!」とお客様に思っていただけるように歌っていきたいです。ただ「いい声だね」だけではなく、「西村さんの歌って、なにかを感じさせるよね」と言われるような歌。なんだか気になる人って、いるじゃないですか。そんなアーティストになっていきたいです。

−「気になるアーティスト」ですか。すでに気になるフレーズですね。普段から、劇場にオペラを観に行かれることもあるのですか?

イタリアにいたときは、やっていれば絶対行ってましたね。

−そうなんですか!ずっとオペラのことを考えているのですか?

稽古中も、ずっと考えています。ふと目に留まった人を見て、「あ、こういう手の組み方をするんだ…」とか。我々は、基本的に舞台にいるときって、なにも考えてない動きっていうのはしてはいけないんですよ。“素”になっちゃいけなくて、たとえ「『なにも考えてない』という演技」といわれても、「どうやったらそう見えるかな」と考えるんです。普段から人を見ては「今の動き使えるな」とか、「こういうときはそういう動きをするんだ」なんてこと、よく考えています。

西村 悟

−常に研究していらっしゃるんですね。お休みの日は、どんな風に過ごされるのですか?

休日は、あってないようなものですね。「休みの日」というのはあるけど、実務的な休みではあっても、結局次の公演の準備だの譜読みだのが常に頭にあるんですよ。ひとつの仕事が終わって、1日ぐらいなにも考えずにボーッとしてみたいけど、あ、次の仕事のあの単語の意味を調べなきゃ、とかそういうことを考え始めるとどうしても休みじゃなくなったりするんです。本当に「休んでるな〜!」というときは…1泊で温泉に行ったり、とかですね。家にいない。東京にいない。それぐらいしないと、常に何か考えてしまう。イタリアへ行くにも、今後やるかやらないかわからない楽譜まで含め、何十冊も持っていくんですよ。

−温泉に行かれているときは、なにも考えずにいられますか?

そうしているつもりですけど、やっぱり結局考えてしまうんですよね。妻に「今こういうこと考えてるでしょ」と言われるので、「なんでわかるの?」と聞くと「口が動いてる」と。歌詞をブツブツ言ったりして、もう職業病ですね(笑)。オンオフがもうちょっとちゃんとできればいいんですけど。

−ご家族のサポートというのは結構あるものですか?

僕の場合は、相当手伝ってもらっていますね。妻がピアノを弾くこともあって、音取りもですし、レッスンにも一緒に行ってましたし、僕の声に関しては一番分かっています。僕たちは、自分で出している声を自分で判断できないので、誰か第三者の耳が必要なんです。いちばんいいのはもちろん先生ですが、先生が僕にずっと付いてまわることはできないので、信頼できる耳の人を持つということが大切で、それが僕の場合はたまたま妻なんです。

西村 悟

−なるほど、ご家族の全面的なご協力もあって、西村さんの表現がよりお客様の心を掴むものになっていくのですね。リサイタル、そして『ルチア』、ぜひ多くの方に聴いていただきたいですね!楽しみにしています!

新企画<聞いてみタイム>♪アーティストからアーティストへ質問リレー

—さて、恒例の質問リレーです。今日、前回の西村 悟さんから預かっている質問はこちらです。

体を鍛えていますか?また、メンテナンスはどのようにしていますか?

なるほど!今、実はこれといって体を鍛えることはしていないんですけど、来年ちょっと大きな役があるので、そのためにこれから筋トレしなきゃいけないなと思っています。俳優さんって、よく役によってダイエットしたり太ったりしますが、オペラ歌手ってしないなと感じていて、でも僕は、声に負担のない程度にはそういう役づくりをしてもいいのかなと思います。でも、確かに歌にはどちらかというとインナーマッスルが大事だから、いわゆる筋トレっていうものをオペラ歌手はあまりしないですよね。最近ちょこっとやっていることは、ヨガです。

−それは、呼吸のためにですか?

そうです。ある方に薦められて読んだ本に書いてあったのですが、ヨガって結局「当たり前のこと」をするだけなんだそうです。人間って、どうも生きているだけでちょっと不自然なことをするらしいのです。

−生きているだけで不自然なことをする、ですか!

そう、それを当たり前の、自然な行いをすることによってゼロに戻すというのが、ヨガの考え方なのだそうです。難しいことをするのではなく、ごく普通の自然な呼吸をすることなんだ、と。いわれてみれば、自然界の動物って、あまり寿命以外で不自然に命を全うしないじゃないですか。人間は、たとえばお酒を飲んだりタバコを吸ったり、そういったことからかかる病気なども不自然なことかもしれない。また、自然な呼吸で体はリセットできますし、なおかつそれをルーティン化することで、本番で緊張しなくなるんだそうです。だから、僕もまだまだ始めたばかりですけど、大事なことかなと思って少しずつやるようにはしています。

西村 悟

−—ヨガは、「鍛える」ことも「メンテナンス」も包括していますね!

そうですね。僕たちにとっては、どっちかというとやはりメンテナンスが大事ですけれどね。昔ある大御所の先生がおっしゃっていたことで、オペラ歌手は、歌う前にまずウォーミングアップで発声練習をする。それから歌う。そのあと、「お疲れ様でした!」と帰ってお酒を飲む。でも、スポーツ選手はまずウォーミングアップして、スポーツをして、そのあと「整理体操」する。その整理体操というのが結構大事だということを言われて、僕はハッとしたんです。発声して、本番を歌って、そのあとメンテナンスの発声をして帰るっていうことが、実は必要なんですよね。それをやっているかといわれたら、やっていないなと。それ以来、できるときはやるようにしています。周りの状況をみて、どうしてもできないときもありますけどね。メンテナンスって、本当に大事です。

取材・まとめ 眞木茜

PROFILE:西村 悟 Satoshi NISHIMURA

西村 悟

2013年 藤原歌劇団公演
「ラ・トラヴィアータ」アルフレード役

日本大学芸術学部音楽学科卒業、東京藝術大学大学院オペラ科修了。声楽を丹羽勝海、川上洋司、Yoko Takedaの各氏に師事。第36回イタリア声楽コンコルソ・ミラノ部門にて大賞(1位)を受賞。ボローニャ国立音楽院、また文化庁新進芸術家海外派遣員としてヴェローナに留学。2011年、イタリアで若手の登竜門として知られる第17回リッカルド・ザンドナーイ国際声楽コンクールにて第2位、並びに審査委員長特別賞を受賞。第80回日本音楽コンクールにて第1位、並びに聴衆賞を受賞。以後、大野和士指揮水戸室内管弦楽団とブリテンの「ノクターン」、山田和樹指揮スイス・ロマンド管弦楽団とメンデルスゾーンの交響曲「讃歌」、佐渡裕指揮ケルン放送交響楽団と「第九」、小林研一郎指揮名古屋フィルハーモニー管弦楽団とヴェルディ「レクイエム」、パスカル・ヴェロ指揮仙台フィルハーモニー交響楽団「蝶々夫人」、2016年には大野和士指揮バルセロナ交響楽団との共演でメンデルスゾーン「讃歌」のソリストを務め、ヨーロッパデビューを果たし、現地有力紙「la Vanguardia」に絶賛された。オペラでは、新国立劇場「夜叉ヶ池」、藤原歌劇団「ラ・トラヴィアータ」「蝶々夫人」「仮面舞踏会」に出演。2017年にはびわ湖プロデュース・オペラ沼尻竜典指揮「ラインの黄金」のローゲ役を好演。平成25年度五島記念文化賞オペラ部門オペラ新人賞、第23回出光音楽賞を受賞。2017年12月は藤原歌劇団公演「ルチア」のエドガルド役で出演予定。藤原歌劇団団員。ヴェローナ在住。

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