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  7. Vol.22-柴山昌宣 3

CiaOpera!

マエストロ、演出家、そして弟。ほしいのは、緑の休日。

—マエストロの園田隆一郎さんとは、今年2月~3月の日本オペラ協会公演『夕鶴』からご一緒しているとお聞きしました。

そうですね。最初は藤原歌劇団の『ラ・ボエーム』でご一緒させていただいて、本当にイタリアの音を出せる、イタリアオペラを振れる数少ない日本の指揮者だなと感じました。そのかたとまた前回2ヶ月ぐらい日本オペラ『夕鶴』でご一緒して、それから今回の『ラ・チェネレントラ』ですが、すごく印象に残っているのは、園田さんは楽譜に本当に忠実なこと。「楽譜に書いてある音符の長さにはそれぞれ意味がある。休符もしっかり守りましょう、そこに意味を持たせましょう」と。ロッシーニならロッシーニ、團伊玖磨なら團伊玖磨の気持ちを汲もうとされている指揮者だなと思いましたね。

柴山昌宣

2018年 日本オペラ協会公演「夕鶴」運ず役 中央 左は泉 良平、右は中井亮一

—音符ひとつ、休符ひとつに意味を見出されているのですね。

はい。やっぱり歌い手としては、声を伸ばしている時間が長いほうがいいという意見が多いのですが、『ラ・チェネレントラ』にしてもこれだけの登場人数の重唱を導いていくには、「楽譜があるでしょう」というご意見なのです。「楽譜というのは、世界の人が同じものを持てるし、たとえ言語が全然通じない人でも、この楽譜どおりにやれば明日にでも作品が出来るようになる」という信念をお持ちだから、ご一緒しているとすごく原点に帰るような気持ちになります。

—演出家のベッロット氏は初めてのお仕事ですか?

そうですね。ただ、僕には弟がいて、同じく藤原歌劇団でテノールとして活動していて、2016年のベッロット氏演出の「ドン・パスクワーレ」では公証人で出演しています。そのベッロットさんが弟のことを「すごく面白いキャラクターだ」といって気に入ってくださっているらしくて。それで「今度はその兄ちゃんが出る」というのを楽しみにしてらっしゃるという話を聞いて、なんだか少しハードルが上がっているな、と思ったりもしています(笑)。

—弟さんも藤原歌劇団で歌われているのですね!

うちは、兄弟夫婦ともみんな揃って藤原なのです。今回の合唱にも弟は入っています。本当に面白いですよ、弟は。

柴山昌宣

インタビュー後の立ち稽古風景(右にいる紫の服の方が弟の秀明さん)

—お兄様も認める面白さなのですか!普段から弟さんと仲がよろしいのですか?

そうですね、普段と同じようなことを普通に喋っていてもみんな周りが笑っているから、やっぱりなんか可笑しいんだな、と思いますね(笑)。最近は稽古場などでたまにしか会えないですが、年末年始に家族で集まったときにも僕たちの会話に家族みんなが笑っています。

—ご家族みなさんが笑われるとは、本当に面白い会話をされているのでしょうね!お聞きしてみたいです(笑)。柴山さん、オフの時間はどのように過ごされているのですか?

いやぁ、オフの時間というのがなかなか無くて、オフの時間をつくるのに戦っています(笑)。夜7時に夕飯を食べられるなんてことはまずなくて、たまにそんなことがあると「テレビ観ながら7時に夕飯食べてるじゃん!」と驚きます。休日をつくるのがうまくないのかもしれません。

—お忙しいのですね!たまの休日には、オペラや音楽とは切り離されますか?

はい、もうそういう日があるならば、何もしないです。外にも出ないで、家に閉じこもって、軽い音楽でもかけながら本当にボーッとしている。努めてそうするようにしていますね。

—何かご趣味はありますか?

電車に乗ったりすることは好きなので、行ったことのないところへスーッと行って、そこで歩いてみたりするわけではなく眺めを楽しんだり、さっきの話にもあったように少し人を観察してみたり。気が向いたところへポーンと行って、ボーッとしている。そんなことが趣味かな。

—ゆったりしていていいですね。例えばどんなところへ行かれるのですか?

僕はね、海じゃなくて山派なんですよ。青の方ではなく、緑の方へ行くんです(笑)。そして歌でもそうなのだけど、やっぱり人がやらないようなことや、行かないようなところが好きなので、人が少ないところへ行きますね。

—人が少ないところで森林浴、リラックスできそうですね。

はい。そんな日をつくれるように、戦っています(笑)。

—そうすると、あまり何日か続けてというお休みは難しいのではないですか?

そうですね、だいたいとれて1日です。大学で学生を教えたりもしているので。でも、学生と一緒にいるのもわりと好きなんですよ。だから、それでいいのかなとも思う。オペラの話とか、音楽の話とか、人生相談とか。そんなことが好きであまり苦にならないから、そこで発散できている部分もあるのかもしれないですね。

柴山昌宣

新企画<聞いてみタイム>♪アーティストからアーティストへ質問リレー

さて、今回但馬由香さんから柴山さんへ届いている質問をご紹介します。

もし女声歌手に生まれ変わるとしたら、どんな声種で、どんなオペラの役を演じてみたいですか?

柴山昌宣

女声だったら?やっぱりメッゾ・ソプラノかな!昔楽器もやっていたのだけど、ファゴットとかトロンボーンとかで。チェロなんかも好きだから、中低音の響きが好きなんですよね。だから声でも、もし選べるならメッゾ・ソプラノがいいかなぁ。

—なるほど、中低音がお好きなのですね。役はいかがですか?

このあいだの『セビリャの理髪師』のロジーナとか、今回の『ラ・チェネレントラ』のアンジェリーナとか、やっぱりロッシーニのオペラの役はやりたいです。

—やはりロッシーニは外せないのですね!

そうですね。あとはヴェルディの『ファルスタッフ』のメグ・ページやクイックリー夫人、モーツァルトの『フィガロの結婚』のマルチェッリーナとか。『カルメン』は少し違うかもしれない。人から「あぁなるほどね、柴山さんがやりそうだね」と言われるのは、メジャーな役ではないような気がします(笑)。

—ちょっとツウな役選び、素敵です!お話、ありがとうございました。

取材・まとめ 眞木茜

PROFILE:柴山昌宣 Masanobu SHIBAYAMA

柴山昌宣

2017年 藤原歌劇団公演
「セビリャの理髪師」バルトロ役

国立音楽大学卒業、同大学大学院修了。日本オペラ振興会オペラ歌手育成部第8期生修了。1992〜93年イタリアに留学。95年から2年間、五島記念文化財団の奨学生として再びミラノに留学。第25回日伊声楽コンコルソ入選。岩淵嘉瑩、長井則文、砂川稔、M.ミネット、C.メリチャーニの各氏に師事。
87年国立音楽大学大学院オペラ「フィガロの結婚」フィガロでオペラデビュー後、カリアリ劇場「婚約手形」スルックでイタリア・デビュー。藤原歌劇団には91年「夢遊病の女」アレッスィオでデビュー後、「ファウスト」ワグネル、「愛の妙薬」ベルコーレ、「イル・カンピエッロ」アストルフィ、「ランスへの旅」ドン・プロフォンド、「オリィ伯爵」ランボー、「セビリャの理髪師」バルトロ等に出演。07年・08年・14年の「ラ・ボエーム」にはショナールで出演し、好評を博している。また、藤原歌劇団文化庁ふれあい教室「カルメン」でエスカミーリョを好演。日本オペラ協会には「天守物語」「瀧廉太郎」「くさびら」「キジムナー時を翔ける」「美女と野獣」「夕鶴」に出演し、いずれも高い評価を得ている。
新国立劇場では、「ホフマン物語」「おさん」「セビリャの理髪師」「なりゆき泥棒」「外套」等に出演し好評を得ている。その他、宗教曲でも定評があり、モーツァルトやフォーレの「レクイエム」、「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」のソロでも活躍する。
第6回五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。
藤原歌劇団団員。日本オペラ協会会員。昭和音楽大学准教授、日本オペラ振興会オペラ歌手育成部講師。東京都出身。

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