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  7. Vol.26-牧野正人 2

CiaOpera!

共演者、演出家、指揮者、そして衣装。期待膨らむ2019年版の布陣。

−共演者の皆さんについて、お話を伺えますか?

今回の共演者の皆さんは、本当に楽しみなんです。まずはヴィオレッタ役の砂川涼子さんとご一緒できること。砂川さんとは、これまでも『ドン・パスクワーレ』や『道化師』など様々な作品で共演していて、芝居も阿吽(あうん)の呼吸で行けると言うか、持っている物をぶつけ合える、僕の大好きなソプラノ歌手です。西村悟さんとは、2015年テアトロ・ジーリオ・ショウワでの『ラ・トラヴィアータ』で、既にアルフレードとジェルモン親子としてご一緒しています。親父役として遣り甲斐が有ります。それから役としての絡みは無いですけど、ガストン役、ベテランの松浦健さんとは、昔からの長い付き合いですよ!

1991年藤原歌劇団公演「ラ・トラヴィアータ」ジェルモン役 右は斉田正子

2014年 藤原歌劇団公演「蝶々夫人」シャープレス役 左はステファノ・セッコ、真ん中は松浦健

—松浦さんのガストン役も楽しみです!では、特に絡みのある役の方々はすでにご一緒されているのですね。

そうですね。それから楽しみといえば、チラシのキャッチコピーに「粟國淳が挑む」ってあるでしょ。これがまた、本当にどういうものが出てくるのだろうかと思うわけです。特に僕たちバリトンって、結局舞台上では演出家隊長の下での一兵卒なんですよ。演出家が「僕の『ラ・トラヴィアータ』はこう描きたい、ジェルモンはこんな風に作って下さい」等と言われたものに対して、僕たちは「よぅし、やってやろうじゃないか。あなたの思う通りの人物像を作ってみせようじゃないか」と、プロ根性、職人気質の様なものが刺激されるんですよ。それが粟國さんの場合、こちらへ投げてくるボールが半端じゃない。ストレートだったり、変化球だったり、本当に色々なものを投げてくるから、こちらとしてもそれを受け取って、自分のなかで消化して役を作っていくことが難しくもあるし、それがまたすごく面白い。イタリア語、イタリアの文化や歴史に深い造詣を持っている人だから、例えば歌詞一つ一つに対してのつっこみ方や、知識やアイディアが凄いんですよ。だから、自分がいくら勉強しても、分からなかった事や気が付かなかった事に対して、「そういうことだったのか!」とビックリする事が非常に多いんです。そんな粟國さんと今回『ラ・トラヴィアータ』をご一緒するにあたって、これまでの自分をリセットして、真っ白いキャンバスで臨もうと思っています。

—粟國さんとの取り組みで起こる化学反応、期待大です!指揮者の佐藤正浩さんはいかがですか?

佐藤さんも、これまたオペラでご一緒するのが大好きなマエストロの一人です。これまで何度か、コンサートで佐藤さんにピアノ伴奏をして頂いているのですが、これがものすごくピアノが達者なのです。もともとコレペティトゥアでいらしたから、歌を引き立てる伴奏は当然かもしれません。しかし佐藤さんは、ピアノの音の繊細さからダイナミックさまで、その表現が素晴らしいのです。ピアノで、これだけオーケストラの音色や、細かな楽器の表現が出来るという事は、それだけ頭の中で細かい表現や、ドラマの有る音楽を描いている事は間違いないので、そういった意味で確実に、素晴らしい公演を作り上げる事の出来る数少ないオペラ指揮者だと思っています。それと今回は、衣装がA・チャンマルーギさんなんですよ。この方の衣装は凄くいいですよ。

—チャンマルーギさんの美術・衣装のお噂は聞いていました。特にどのような点が素晴らしいのでしょうか。

とにかくデザインがとても凝っているし、客席からは見えないような細部にまでこだわりがあるんです。たとえば、ボタンひとつの掛け方まで歌い手に要求する。でも、考えてみれば当たり前のことですし、僕もそういうことを面倒だとは思いません。人からどう見えるかということを世話して下さっているのだから、こんなに有難い事はないのです。衣装は大体、イタリアで現地のキャストが着た物をチャンマルーギさんが持って来るのですが、意外な事にサイズが小さくて。何となくイメージではイタリア人が大柄で、日本人が着るとブカブカという気がしますが、男性陣なんかは特に、日本人のほうがピチピチな場合が多いんですよ。それを、衣装合わせで時間をかけて調整するんです。まあ僕は、かなり衣装さん達を困らせてますけどね・・。それは衣装が小さいんじゃ無い、って事ですかね・・。

2015年 藤原歌劇団公演「仮面舞踏会」レナート役 左は小川里美

2015年 藤原歌劇団公演「仮面舞踏会」レナート役 左は小川里美 衣装:チャンマルーギ

—それは意外ですね!粟國さんの演出、佐藤さんの音楽づくり、そして牧野さんたちの歌唱や演技に加え、チャンマルーギさんの美術・衣装も相まって、ますます楽しみになってきました。

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