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CiaOpera!

CiaOpera!(チャオペラ)Vol.43 尾形志織
Vol.43 -
尾形志織氏

今度は私が、あの感動を届ける側へ。尾形志織氏の「ミミ」。

藤原歌劇団本公演において、初めて主役「ミミ」役として立つ岩田達宗氏演出の『ラ・ボエーム』は、学生時代に観て、人生で3本の指に入ると思われるような感動体験をしたオペラ。その作品に関われる喜びもあるが、同時に重責も。自身の成長へ、挑戦する気持ちから出演を決めた。コロナ禍において、より一層本番までの過ごし方に責任を感じる。病を患いながらも、ロドルフォと出会い、ようやく彼女自身の命を激しく生き始める事ができたミミの、美しい一縷の光を表現したい。イタリア留学で見出した心の変化も、本公演への姿勢に確かにつながっている。

今最も旬なアーティストのリアルな声や、話題の公演に関する臨場感あるエピソードなど、オペラがもっと楽しめること請け合いの情報をお届けするコーナー「CiaOpera!」。第43弾は、2021年1月31日に藤原歌劇団本公演『ラ・ボエーム』にて主役「ミミ」役を務める尾形志織氏。学生時代に大きな感動体験をした作品へ、ついに主役として出演することへの意気込みや思い。表現したいミミ像について。共演者やマエストラ、演出家の方々とのエピソード。そして、音楽的にも精神的にも、ご自身に前向きな変化をもたらしたという貴重なイタリア留学時のお話も伺いました。

“あの”感動体験の舞台に、主役で立つ。迷いと、決意と、喜びと。

尾形志織氏

−今回は、2021年1月30日(土)・31日(日)の藤原歌劇団本公演『ラ・ボエーム』にて、31日に主役「ミミ」を演じられる尾形志織さんにお話を伺います。藤原歌劇団の公演において、初めてプリマドンナとしてのご出演と伺っていますが、まずは意気込みをお聞かせいただけますか?

はい、藤原歌劇団のオペラ・デビュー自体は2017年の『カルメン』フラスキータ役だったのですが、主役として立たせていただくのは初めてです。まず、この岩田達宗さん演出の『ラ・ボエーム』について、私はどうしても語りたいエピソードがあります。本演出は2007年に初演されたもので、その頃私は大学1年生でした。当時、歌の師である高橋薫子さんがムゼッタ役で出演されていたこともあり、私も渋谷のBunkamuraオーチャードホールへ足を運んだのですが、そこで公演を観て度肝を抜かれてしまったのです。『ラ・ボエーム』という作品自体には様々な演出がありますし、DVDとして発売されているものもあるので、それまでにも幾度か観て、音楽にもストーリーにも感動するということは知っていたのですが、岩田さんの演出や舞台装置、歌い手の方々の歌唱や演技を観て「これが総合芸術なのだな!」と強く感じさせられました。なかでも、第三幕のラスト。ここでは、ミミとロドルフォが別れを決意するのと並行して、ムゼッタとマルチェッロが喧嘩をして「出て行く」と台本には書いてあるシーンなのですが、岩田さんの演出作ではマルチェッロと大喧嘩をしたあと、背中を残して感情を物語るムゼッタの芝居があり、それを見た私は嗚咽が止まらなくなってしまったのです。そのあと幕が閉じて拍手が起き、また転換を経て最終幕へとつながっていくのですが、私は拍手もできないほど放心状態で。今思い出しても涙が出てくるほどです。あの時の私にとって、ボヘミアン達の熱い生き方や、オペラのラストにミミが昇天していく崇高さが、自分が音大に入り、やりたかった音楽を仲間達と切磋琢磨してやれているという状況に重なるものがありました。フィナーレを終えたとき、その公演ではスタンディング・オベーションが起こっていたと記憶しているのですが、やはり私は立つこともできずに下を向いて泣き続けて。カーテンコールも終わり、会場が明るくなってお客様が帰り始めても、立ち上がれずに体を震わせている私を見て、見知らぬご婦人が「(公演が)良かったわねぇ!」と話しかけてくれたことも忘れられません。そんな、これまでの人生で3本の指に入るような感動体験をした“あの”舞台に立てるということは、言葉に出来ないような思いなのです。

尾形志織氏

2017年 藤原歌劇団公演「カルメン」
左から尾形、ゴーシャコヴァリンスカ(カルメン役)、増田弓(メルセデス役)

—それは、忘れられない体験ですね!

そうなのです。高校生のとき、もうひとりの私の師であった牧野正人さんから「観においで」とお誘いいただき、新潟でのオペラ公演を観たときから「藤原歌劇団に入りたい」という思いは変わらずにありました。そこに加えて「岩田さんの作品に出てみたい」という思いを持ち続けていたら、ありがたいことにご縁あって、先ほどお話しした2017年の『カルメン』に出演させていただけたのです。あのオペラも岩田さんの演出で、本当に嬉しかった記憶がありますが、今回はさらに主役として出演できる幸せな気持ちとともに、「ミミ」という役を全う出来たらと思っています。

—喜びのお気持ち、お察しします。役のお話が来たときも、嬉しかったですか?

実は少し前までイタリアに留学していたこともあって、ここしばらく藤原歌劇団のお仕事はお休みしていたのですが、昨年久しぶりに「尾形さん、ちょっと声を聴かせてください」とお声がけいただきました。それはまた別の公演のお話で、その役もすごく歌いたかったので声を聴いていただきましたが、そのときは他にも素晴らしい先輩方がたくさんいらしたので、またの機会にということに。それからしばらくして、「ミミを歌ってみませんか」というご連絡をいただいたのです。私にとっては本当に突然のことで驚き、正直すぐにはお返事できず、その日1日中悩みました。やはりプレッシャーも大きいですし、技術的にもメンタル的にも「自分にはまだ早いのではないか」と思えたのです。それでも決められたのは、家族の後押しがあったことと、自分の中でも明確にお断りする理由もなく、むしろ「今の自分にはちょっと難しいのではないか」ということに挑戦せずして、レベルアップははかれないと思ったのです。もちろん、自分ができる範囲のことにゆとりを持って取り組むということは、心にも身体にもいい影響を与えるとは思いますが、その頃ちょうど留学で得た自分の変化に気づき始めていた時期でもあり、「自分の持ち味を表現に活かしきれるかどうかはわからないけれど、チャレンジしない限りは何も出せない」と。何よりあの岩田さんの演出するボエームだったので、「ぜひ受けさせてください」という答えに至りました。自分のなかで、「この役に対する準備が、“ゼロ”の状態ではないかもしれない」と思える気持ちに自信を持ってみよう、と。

—悩まれた末の決断、間違いないものであったと思います!

強くたくましく生きた先に見出だす、幸せな一縷の光。そんなミミを。

—それにしても、ミミ役のオファーがあったのは約1年前。その頃はコロナウィルスでここまで動きがとれなくなるとは、誰もが予想しなかったことと思います。

本当にそうですね。ただ、元々1年先の話だったこともあり、その1年間は『ラ・ボエーム』の準備に当てようと考えていたので、家にいても外にいても私自身の生活スタイルはあまり変わらなかったかなと。とにかく私に出来るのは、公演すると決まっている限りそこに向かって準備をすることなので、そこはブレていないように感じます。それよりも、このような状況になって大きく感じたこととしては、舞台に関わる業界が「公演が中止に」「延期に」と取り上げられるとき、出演者がクローズアップされることが多いなと。でも私としては、そこまで準備をしてきたスタッフの方々の積み重ねがあるからこそ、私たちは舞台に立てると思うのです。極端な言い方をすると、私は本番1日だけポンと乗せていただく舞台ですが、その舞台を並々ならぬ神経を使い、準備してくださっているスタッフの皆さんのお仕事を思うと、こちらとしても絶対感染できない。安全に、慎重に日々を過ごし、音楽にも誠実に向き合おう、と。本番に至るまでの過ごし方にとても責任があると、より一層感じるようになりました。

−なるほど。コロナ禍だからこそ、今まで以上に実感できるものがあったのですね。在宅期間中はどう過ごされていたのですか?

基本的には譜読みをしたり、周りの住人の方に申し訳ないと思いつつ歌わせていただいたりと歌に向き合っていましたが、やはり気分転換したくなるときもありますよね。そんなとき、以前先輩に教えてもらい好きになったガーデニングをしていました。家に小さな庭がついているので、土いじりをして植物を愛でて。お花も育てますし、今年はちょっとグリーンを多めにしてみました。それから、ご縁あって子猫2匹も新しい家族として迎えました。家のなかに生命が生きていると思うと「自分だけじゃない」と感じられていいですね。

自宅の庭

自宅の庭

新しく家族になった子猫たち

新しく家族になった子猫たち

−ステイホーム中も、そうした癒しのひとときで本番への英気を養われていたのですね。さて、岩田さんともディスカッションを重ねているとは思いますが、尾形さんのなかで「こういうミミを表現したい」と思い描くイメージはありますか?

自分のなかでは、まず先ほどもお話ししたあの感動の『ラ・ボエーム』を思い起こしながら人物をつくっていきたいという思いがあります。また、一般的にミミは可憐で病弱、という人物像を多くの皆さんが持たれていると思います。私自身もそういった印象は持ちつつも、原作を読んで感じたのは、弱いのは身体的な部分であって、精神的にはロドルフォに初めて愛してもらって自分は生きてみてもいいんだと思えた心の強さが芽生えたミミがいて、幕を追うごとに雲行きは怪しくはなるものの、むしろ心は強く彼を求めている。だからこそ、あのラ・ボエームの混沌とした暗さの中に、ミミのその崇高さが最後に輝くのだと、岩田さんのお話を聞きながら感銘を受けました。もちろん2007年に観た初演でその衝撃を受けたわけですが、稽古場で岩田さんご本人からこの世界観を伺うたびに、こみ上げてくるものを抑えるので毎度必死です(笑)熱い稽古場に正直くらいついていくのに必死ですが、本当にそう見えるミミにどんどん近づきたいです。

−確かにミミはか弱いイメージですが、それは健康面であって、心は凛と強いのですね。

そう思います。自分の死を覚悟してからは、より燃えるように生きようとしたのかもしれません。意外と、一見勝気で高飛車に見えるムゼッタの方がナイーブなところを持っているのではないでしょうか。実をいうと、昔は断然ムゼッタに惹かれて、ミミのことをあまり好きになれなかったのです。けれど、ご縁あってとある『ラ・ボエーム』の公演にムゼッタのアンダースタディとして関わらせていただいたとき、劇場の客席とは違い稽古場で身近にミミ役のお稽古を拝見していたら、だんだん「あれ?ミミって素敵だな」と思えるようになり、そこからミミに親近感を持てるようになりました。自分もいろいろと人生経験を重ね、「好き」というより「共感できる」部分が増えたのかもしれません。

−ミミとして、自然な表現が生まれそうですね。楽しみにしています。共演者の皆さんについても少しお話を伺えますでしょうか?

はい。同日組で相手役ロドルフォを歌われる藤田卓也さんや、別組の同じミミ役・伊藤晴さんは、2017年の『カルメン』でもご一緒しました。別日のロドルフォ役・笛田博昭さんも、やはり『カルメン』でも組は別でしたがご一緒させていただきましたし、同日組のムゼッタを歌う中井奈穂さんは大学の同期です。大学院はお互い別々のところへ行ったのでしばらく間は空きましたが、今度はイタリア留学時代に彼女が先にミラノにいる先輩として迎えてくれて、交流がありました。そんな気心の知れた皆さんがご一緒くださるので楽しいですし、とても助けていただいています。

−それは安心ですね!演出の岩田達宗氏については熱い想いをお話いただきましたが、指揮者の鈴木恵里奈氏はいかがでしょうか?

マエストラの鈴木さんは初めてご一緒するのですが、とても洗練された清潔感のあるアプローチをされると感じました。いつもこちらの心を落ち着かせて歌わせてくださいます。妥協のない音楽づくりに、しっかり応えていきたいです。岩田さんについても、もう少しだけお話してもよろしいでしょうか(笑)。このプロダクションでは、佐伯祐三氏のパリの風景画で舞台上が構成されています。佐伯さんの荒々しい暗いタッチの中に、激しく燃えるものを感じるのですが、それがまさにボヘミアンたちの世界観とマッチしていて、2007年に感銘を受けた一つの理由です。物事に陰と陽があるように、苦しみのなかに崇高さが際立つような、もがいた闇の中に見出すひとすじの光が何よりも美しい、そんな美を感じさせてくださるのです。今回私も、そんな光を感じさせるようなミミを演じられたらと思います。それと余談ですが、舞台の小道具もほんとに素晴らしいんです。衣装も含めて、舞台上のすべてのものに佐伯氏のタッチを再現しているのです!本当に舞台職人さんたちの技に感激しっぱなしです。

−尾形さんのミミ、楽しみにしています!

イタリア留学。見出したのは、前へ進むための心の変化。

−先ほどのイタリア留学時のお話、もう少しお聞きしてよろしいですか?

はい。私はこれまで3回イタリアに行っていて、最初は高校生のときでした。それは確かコンクールの副賞で、北イタリアのほうへ研修に行ったと思います。2回目は大学を卒業してすぐだったと思いますが、イタリアでのとある音楽祭のキャストに空きがあり「良かったら来てみないか」と声をかけていただいたのでした。もちろんオーディションはありましたが、ありがたいことに歌わせていただいたのが、モーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』の伯爵夫人。短期留学ではありましたが、このときイタリアがより好きになりました。そして、再び2017年に日本オペラ振興会「立石信雄海外研修奨学金」を頂き、3度目の留学でミラノに行きました。ミラノを拠点にしたほうがイタリアやヨーロッパ各地にも行きやすいですしね。はじめは、ミラノで通っていた語学学校の紹介で、中心地に住んでいたのですが、やはり元々が山形の田舎育ちなので、夜でもにぎやかな場所が落ち着かなかったのかもしれません。結局のところ「リパモンティ」というミラノを走るトラムの終点に近い駅にある家に移り住みました。そこは静かだし、いくら歌っても大丈夫だし、ちょっと歩くだけでミラノという首都とは思えないような田園風景が広がっているのです。この風景が本当に美しく、毎日ウォーキングやジョギングで見に通うぐらい、自分のイタリア留学時代を象徴する風景になったのでした。運動もしたのでフィジカル的には鍛えられ、自然に心は癒され。もう明日帰国するという、最後の最後の瞬間まで目に焼き付けましたし、今でも少し疲れや辛さを感じるときは思い出す景色です。もしかしたら、自分の地元よりも思い出すかもしれません(笑)。

ミラノ(リパモンティ)の田園風景

ミラノ(リパモンティ)の田園風景

−素晴らしい住まいに恵まれたのですね!中心地からちょっとトラムに乗っただけで美しい自然があるとは、驚きです。

そうなのです。やはり、古いものを大切に残す文化の一環といえると思います。素晴らしいですよね。イタリアに行って、音楽的にも得たものはたくさんありますが、それよりも人間的に学べたことが多かったように思います。「足るを知る」というような考え方もそのひとつですね。イタリアに行くまでの自分は、これまでの人生のなかでもわりと苦しんでいた時期のひとつで、いつも何か「足りない、足りない」と思っていたのです。「足りない」を自覚してより多くのものを求めるのは、ある側面では悪いことではないかもしれませんが、一方で今自分が持っているものを卑下することなく、自信を持って受け入れていいんだと気付けたのもイタリアでの1年間だったと思います。そのことに気づいた途端、歌いやすさも変わりました。

−歌いやすさも変わったのですか!

まったく変わりました!もちろん、物理的にあちらは空気が乾燥しているし、石造りの文化だから響きもあるし、そういうところで過ごすと歌いやすくなるという面もあると思います。けれど、やはり私自身は、イタリアで見出した精神的な変化による歌いやすさだとも感じます。それまでは、どこか自分の「できない」と思う部分を見すぎていて。例えば「私にはこの役は歌えない」と遠ざけていたようなレパートリーがあったのですが、イタリアでついたリンダ・カンパネッラ先生に「あなたにはできるから、やってみなさい」と言われて、日本では絶対選ばなかったような曲に取り組んだこともありました。そしてやってみた結果、歌えたときなどに「あ、できた!自分で自分にストッパーをかけていたんだ!」と気付かされました。

−まさに、このたびの『ラ・ボエーム』で、自分にはチャレンジかもしれない、以前だったら共感できなかったとおっしゃっていたミミ役を選ばれたというエピソードにつながる体験ですね!ミラノでは、本公演で共演される中井奈穂さんともイタリアのミラノで一緒に過ごされたのでしたね。

はい。中井さんは、私がミラノに着いた頃にはもうあちらの生活に慣れていて、何度か一緒に出かけたりもして、楽しく過ごしました。あるとき、中井さんが「ご飯をつくるから食べにおいでよ」と声をかけてくれまして。おうちへお邪魔すると、「ラヴィオリ・ディ・ズッカ」というかぼちゃの詰め物をしたラヴィオリにバターソースをかけたお料理を出してくださり、これがものすごく美味しかったのです。「中井さん、天才!」と思いました。私自身も料理はしましたが、たまに語学学校の友人などと中心街へ出かけていただく夕食前の食前酒「アペリティーボ」タイムは楽しかったです。食前酒と言いつつ、飲み物代だけチャージすればあとは食べ放題という若者には嬉しいシステムで、お料理も美味しく、みんなでそこでわいわいと食べて。音楽的に、真面目に得るものも多かったですが、そういった仲間とのひとときも心の栄養になりました。

−お料理に、アペリティーボに、音楽に。心温まる充実のイタリア生活のお話、ありがとうございました。

新企画<聞いてみタイム>♪アーティストからアーティストへ質問リレー

タロット形式が定番となってきたミニ質問コーナー。尾形さんの引いた質問カードと、そのお答えは?

尾形志織氏

—質問その1:今、会いたい人は?

この質問、今のご時世的な雰囲気も感じつつ、全然今ご存命ではない方を答えても良いでしょうか?実は、美空ひばりさんにお会いしたいのです。会いたい、というより、会ってみたい、が正しいですね。

—美空ひばりさんですか!理由をお聞きしても良いですか?

私が物心ついて初めて口にした歌が「川の流れのように」だったのですが、あの方を知れば知るほど、何でも歌える方だなと。ジャンルを取っ払って、言葉を紡いで表現する職業において、「すごい人だな」と常々感じてきた方です。おそらく「秘訣を教えてください」とお聞きしても、私が理解できるような秘訣はお答えにならないかもしれませんが(笑)。一度は間近にお会いしてみたいですね。

−憧れのアーティストに間近で会いたいお気持ち、分かります。

あとは、昔東京で育てていた猫ですね!イタリアに行く前に実家に預けてしまったので、会いたいです!

−それは会いたいですね!お答えありがとうございます。

—質問その2:ひょっとしたら私だけ!?

藤原歌劇団にいると、「いかに自分が凡人か」ということがよく分かることでしょうか(笑)。

−いえいえ、そんなことはないと思います!が、その心を詳しくお聞きしても良いでしょうか?

もう、皆さんのカリスマ性がすごすぎます!それは、音楽に精通しているとか、音楽の読みとり方にも言えますし、いい意味でぶっ飛んでいる人が多いという意味でもです。たとえば私は映画が大好きなのですが、なかでも好きなジャンルがアクションやSFだったりして、お仕事がなければ危うくそちらにばかりハマってしまう。皆さんを拝見していると、自分はそれほどクラシック音楽に通じていないかもしれない、俗世界に生きているなぁと感じるのです(笑)。そして、凡人は凡人なりに頑張ろう、なんて思うのですが、それはひょっとしたら私だけかもしれません(笑)。今回、残念ながらコロナ禍で以前ほど長い時間は共有できていませんが、それでも稽古場でキャラクターの濃い皆さんとご一緒するあの感覚が久しぶりで、すごく楽しいです。

−なるほど、そういうことなのですね(笑)。ありがとうございます。

PROFILE:Soprano 尾形志織

尾形志織

国立音楽大学卒業、同大学大学院修了。2005年イタリアに短期留学し、L.ランティエーリ女史のもと研鑽を積む。12年再びイタリアに留学し、マスタークラスでG.コスタンツォ氏に師事。第2回立石信雄海外研修オーディションにより選抜され、再々渡伊。第6回高校生のための歌曲コンクール入選、奨励賞受賞。柿崎泰裕、鈴木美智子、牧野正人、高橋薫子、佐藤ひさら、L.カンパネッラの各氏に師事。
二度目の留学中、現地でのオーディションに合格し、アレッツォ音楽祭の「フィガロの結婚」伯爵夫人でイタリアデビューを果たす。国内でも「フィガロの結婚」同役のほか、「メリー・ウィドー」ハンナ、「こうもり」ロザリンデ等、多数の作品に出演している。平成27年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業「ラ・ボエーム」においてムゼッタのアンダースタディーを務めた。
藤原歌劇団には、17年「カルメン」のフラスキータでデビュー。21年「ラ・ボエーム」が主役デビューとなり、今後の活躍に期待されている注目の新進ソプラノ。
その他、09年国立音楽大学学内選抜演奏会「ソロ・室内楽コンサート・春」、10年国立音楽大学「卒業演奏会」、11年「JTアフタヌーンコンサート」に出演。また、ヴィヴァルディ「グローリア」のソリストを務めるなど、各種コンサートでも好評を博している他、BS-TBS「日本名曲アルバム」に出演するなど、活躍の場を広げている。
藤原歌劇団団員。山形県出身。http://oga5353.wixsite.com/shiori-ogata

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