コラム

初心者におすすめの有名オペラ5選|日本オペラ編

〜日本語だからもっと伝わる。日本オペラの世界へようこそ〜
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「オペラって外国語ばかり?」「言葉がわからないと難しそう…」——そんなイメージを持っていませんか?
実は、日本語で上演される“日本オペラ”が存在し、その多くは日本人の作曲家によって書かれた、日本の物語や文化を背景にしたオリジナル作品です。

しかも、日本語だからこそ登場人物の心情や台詞がストレートに届き、オペラ初心者にも感情移入しやすいのが魅力✨


今回は、日本語で楽しめる、初心者にもおすすめの日本オペラ5選をご紹介します。

1. 「夕鶴」作曲:團伊玖磨

― 愛と献身、そして別れの物語 ―

日本の昔話「鶴の恩返し」に着想を得て生まれた名作オペラ。
自らを犠牲にして男を愛する鶴の女「つう」と、欲に惑わされる与ひょうとの物語が、美しい旋律とともに描かれます。
セリフが自然な日本語で書かれているため、演劇を観ているような感覚で楽しめるのもポイント。
日本オペラの代表作として世界中で上演されています。

2. 「静と義経」作曲:三木稔

― 源義経と静御前の秘められた想い ―

源平合戦の英雄・義経と、その恋人である白拍子・静御前の悲恋を描いた歴史オペラ。
三木稔ならではの現代的な音楽と、日本古来の舞や音(鼓、笛など)が融合し、和とオペラの世界が見事に一体化しています。
義経の葛藤と静の強さが心を打ち、物語の奥行きの深さは、オペラ初体験の人にも強く印象を残します。

3. 「紅天女」作曲:寺嶋民哉(原作:美内すずえ『ガラスの仮面』)

― 演じることの意味を問う、”幻のオペラ” ―

大人気少女漫画『ガラスの仮面』の最終章としても知られる「紅天女」を、日本オペラとして舞台化。
舞台に生きる人間たちの情熱、伝統芸能と現代表現の融合など、日本の文化の多層性が詰まったオペラです。
特に「声」で表現することの力強さと美しさを、全身で感じられる作品。若い観客にも高い人気があります。

4. 「ニングル」作曲:渡辺俊幸(原作:倉本聰)

― 北海道の森にすむ“小人たち”が伝える自然と共生の物語 ―

2024年に初演されたばかりの新作オペラ!
アイヌ文化や自然信仰に着想を得た倉本聰の物語を原作に、豊かな森の精霊「ニングル」と人間の出会いが描かれます。
渡辺俊幸による音楽は、繊細かつドラマティック。視覚的演出や合唱の美しさも際立ち、子どもから大人まで楽しめるオペラとして注目を集めています。

5. 「天守物語」作曲:水野修孝(原作:泉鏡花)

― 幻想と恋が交差する、日本版ゴシック・ロマンス ―

泉鏡花の幻想文学をもとにした作品。人間の青年と、天守に住む妖艶な女主人との禁断の恋が織りなすドラマティックな物語。
日本語のセリフと詩的な音楽が交差し、舞台は夢と現のあわいを美しく表現します。
クラシック音楽に詳しくなくても、物語に引き込まれて観終わったあとに余韻が残る名作です。

Q&A

Q. 日本語のオペラって難しくないの?

A. 全編日本語で上演されるため、歌詞がすっと耳に入ってきます。字幕や解説がなくても、ストーリーの理解がしやすいのが大きな魅力。
特に「夕鶴」や「ニングル」はセリフが現代語に近く、初心者にもわかりやすいと好評です。

Q. 共感しやすい日本オペラは?

A. 日本の自然、神話、恋愛など私たちに馴染み深いテーマを描いた作品が多く、感情移入しやすいです。
「紅天女」や「天守物語」は若い世代の観客からも支持されています。

最初の一歩は“日本語”で

「難しそう」と思っていたオペラも、母国語で上演されるとぐっと身近に感じられます。
ぜひ、今回ご紹介した作品から、あなたの初めてのオペラ体験を始めてみてください♩
耳で聴き、心で感じる ——日本語オペラならではの感動が、きっとあなたを待っています。

日本オペラ振興会では、日本語オペラの普及と上演を積極的に行い、日本人作曲家による新作にも力を入れています。

初心者の方に向けたコラム、教育普及活動も充実。
最新の公演情報は 公式サイト(https://www.jof.or.jp/) をぜひご覧ください。

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